2021年8月2日月曜日

新型コロナ禍で見えるタイの美徳と虚無感

タイで生活していたころから思うことがありました。


タイはタンブンという奉仕の精神があり、

これによって徳を積むという考え方があります。


それは仏教の考え方がもとになっていて

とても素敵だとは思いますが、

少し違った視点から見ると、上流階級の人たちにとって

自分たちの利益を高めるために都合の良い考え方なんじゃないかな・・・


時々テレビで見かけていたのは、苦しい時期だから

タイ人同士で支え合おうという気概を鼓舞するようなCMが流れ、

メディアでも屋台のおばあちゃんがチャーハンを無料提供したという話を

美談で放映していました。


さらに、タンブンという概念が重なって、中流の人達も困っている人のために

自分たちの生活費から寄付に励んでいます。


でも、上流階級の人達はそんな姿を横目に海外に逃げている人がいたり、

高級なグルメに舌鼓を打ったり、

病床が無いと騒いでいる中流、下流の市民を横目に

大金をはたいて高級な私立病院で最高級の医療を受けることができています。


ちょっと誇張して書いてはいますが、

そのような姿を在タイ15年の間にちょくちょく目にしてきました。


今回も寄付に励む人達がいるのは素敵なことだとは思いますが、

自分達の生活も第一に考えてほしいと思います。


自分達の生活が恵まれていることは悪いことではない。

タンブンしないと浄土に行けないわけではない。


政府がやらなければいけないこと、

上流階級の富の再分配がされなければならないのに、

裕福ではない人達が歯を食いしばって、彼らの代わりに

苦しい人達にタンブンし続けなければいけない

というシステム自体がおかしいのだと思います。


かといって、今まさに苦しんでいる人達を見殺しにはできない。

そこが辛いところです・・・


お金持ちが持つ富が再分配されたなら、

タイはもっともっと苦しむ人が減る。

どうにかならないものか・・・


遠い日本からタイの未来を憂いています。

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